寺院修復(5)

DSCF2097[1] DSCF2094[1] DSCF2096[1] 後門柱と虹梁等周辺の上塗が完了しました。ここ数日はいくつも台風が来たり、また暑くなったり寒くなったりと毎日の気候がコロコロと変わりました。これは塗りの職人さんにとって一番やりにくい環境なんです。ご存知のように漆は見た目の美しさもさることながら木地を守る塗装剤、接着剤として優れた特性を持ちます。漆の塗り面、塗膜は、高分子がさらに編目状に結合して出来ていてそれは編目より大きい水の分子をよせつけず、木地に酸素を通して呼吸させます。木の呼吸を遮断するウレタン等の科学塗料での塗装では木の持つ本来の持ち味は生かされません。そのことから天然漆は生き物と言われるますが、前回も触れたようにその生き物の漆を綺麗に塗るには安定した環境が必要です。 さあ、あとは後門の金紙と柱の箔押し、巻下げ蒔絵の作業です。
category:日々の出来事  |    |  2013.10.22

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