寺院修復(4)

20131004_131951 後門柱は中塗りを終えました。 下地で固まった生地に漆をぬっていきます。塗りの工程で『下塗り』『中塗り』『上塗り』の三段階があり、仕上がりが最も美しくなるように塗り重ねて行きます。この工程で、漆塗りの出来映えが大きく左右されま。また布着せ等の作業を加え固く固める事で仕上がり後の耐久性も増します。塗っては乾燥、塗っては乾燥と一見単純な作業を繰り返しますが、そこには漆の配合、塗りの厚さ、乾燥の仕方など、職人ならではのこだわりがいっぱいあります。通常、仏具や部品に漆を塗る場合は仕事場にムロと呼ばれる乾燥室があり、ある程度湿度や温度の環境をコントロールしながら乾燥させることが出来ます。しかし、今回のように寺の柱等を現場で塗る場合などは現場の湿度や温度に最適な漆配合や塗りの厚み等を工夫しなければなりません。まさに職人の経験からのカンが頼りです。また、塗り重ねていく上でチリも大敵です。出来るだけホコリをたてず表面に乗ってしまった細かいゴミも丁寧に取り除いていかなければなりません。これも大変神経の使う作業です。 20131004_112537 こちらは下地の荒研ぎを終えた柱。
category:日々の出来事  |  tags:  |  2013.10.04

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