西国三十三所 四番札所
当店所在の和泉市には西国三十三所四番札所の槇尾山施福寺があります。三十三所巡りでおまいりされ方はご存じかと思いますが本堂までの道中はなかなかの難所で急な山道を健脚な者でも三十分以上かけて登って行かなくてはなりません。
先日、掛軸表装で朱印軸をお持ちになられたお客様がおりまして中を確認させて頂いたところこの四番の朱印だけが抜けていました。「せっかく表装されるのでしたら抜けた四番をまいられてからにしてはどうですか?」と聞いてみると「実は主人が槇尾山を残して亡くなってしまいました。私も足が悪く行けないし・・・もうこのまま表装をお願いしようと持ってきたんです。」との事でした。
このまま仕上げてしまうのも心もとなく、また私も久しく槇尾山に登っていなかったので、それなら代わりにおまいりしてきましょうということになってお客様のお軸を持って昨日の休みに早起きし行ってきました。
息を切らせて本堂に行くと朱印を書かれているおじさんが「ちょうどよい時に来られましたね。60年ぶりに馬頭観音を出してきたので見れますよ。」
こちらのご本尊は弥勒菩薩で右に文殊菩薩と左に三十三所の本尊の千手観音を配します。普段は秘仏としてその裏に置かれてるようです。
これはなかなか運が良く、お客様の代わりに来ることがないと拝見することもなかったでしょう。
損得抜きで自分が他人の為に汗をかいてなにがしらその方の役に立つ。仏教ではよく「徳を積ませてもらう」と言います。
まさしくその「徳」のお陰だったと思いながら何か清々しい気持ちで下山して来ました。
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西国三十三所 | 2015.05.22