家族葬とそのマナーについて
最近、家族葬(かぞくそう)という言葉をよく耳にします。
お葬儀に参列出来なかったのでお線香をお供えしたいとお客様がご来店されます。
では家族葬とはいったいどんなものでしょう。家族葬を実際にされた方からのお話も交えその意味を考えてみましょう。
もし知人が家族葬をすると聞いた時あなたならどうしますか?「聞いたのだから通夜葬儀には行かないと義理が悪い。」「通夜や葬儀は遠慮しておいて後日お参りに。」
迷うところですがどちらがいいでしょうか?
ウィキペディアでは、「家族葬とは家族などの近親者だけで行い、近親者以外の儀礼的・社交辞令的な弔問客の参列を拒否する葬式のこと。」と掲載されています。その動機は喪主により様々です。おそらく次の二つが大きな理由でしょう。まず上記のように日本社会の「つきあい」というしがらみにより参列を受けたりすることを望まない場合。次に経済的な理由で質素な葬儀にしたい場合です。近親者だけなら葬儀場に大きな部屋もいらないし、会葬者へのお礼や粗供養また手伝いしてもらった方々への接待も用意しなくていいでしょうから経済的負担も少なくすみます。生前に「俺が死んだら家族葬にしてくれ」と遺言を残される場合もきっと家族に余計な負担を掛けたくないという思いやりからだと思います。
では、実際に希望通りの葬儀が出来たのでしょうか?都市部に見られる様なご近所の付き合いの少ないご家庭の場合は葬儀は希望通り行えたと思います。もともと世間とのお付き合いも薄いので通常の葬儀でしても参列者は親戚に加え仕事関係や友人程度です。
しかし、地域との関わりの深いご家庭ではそんな理由にはいきません。いくら家族葬を宣言してもそれを聞きつけたご近所さんや知人縁者が通夜や葬儀にも大勢かけつけてきます。確かに死去の知らせを知る方が少ない分参列者も少ないでしょうが、今度は葬儀後にその噂を聞いた残りの方々が延々とお家におまいりに来られます。「家族葬なんてしなくてよかった。」という悲鳴はそんな喪主さんから聞こえます。
家族葬という葬儀の形は決して悪いものではないと思います。りっぱな葬儀で見送ることだけが故人への供養だとは思いません。
そこで問題はご近所や知人の「家族葬」の知らせを受けたり聞いたりした時のマナーです。
いくら義理が悪くとも喪主の意思を尊重し通夜や葬儀には参列を控えるなければいけません。生前故人との関係が深くどうしても霊前に手を合わせお別れしたい場合は葬儀から少し日を空けて満中陰(49日または35日)までにお伺いすればいいでしょう。直接本人とは関係がなく家族や仕事の関係などの場合はその弔問も控えるべきですね。もしそれが不義理に感じるならお手紙を添えて進物線香を送付されてはどうでしょうか。(通常お店からも発送してもらえます。)
たまたま昨日こんなメールが届きました。
「ご町内の〇〇さんが死去されました。通夜は明日〇時、葬儀は明後日〇時より〇〇ホールです。家族葬で行いますがお参りはできるそうなのでご都合の良い方はお見送り下さい。」
・・・・・・・・?どうしたらいいんでしょうね。
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日々の出来事 | tags:
家族葬マナー | 2014.06.25