建築家 大橋淳司 を悼む

当社店舗ビルを設計頂いた大橋氏が白血病で享年63歳の生涯を終えました。

本日、大阪下寺町の稱念寺さんで葬儀が行われました。

実はこの本堂は10年前に彼が手がけた作品で、ぜひとも本人が設計したお寺から送り出してあげたいという遺族の願いもありこちらが葬儀会場となりました。

2009_01060007もちろん導師は当稱念寺住職がお勤めになり、また脇導師はこちらも彼の設計で現在着工中の金蓮寺住職がお勤めになられました。

大橋氏の設計にはいつもストーリーがあります。

建築にかける施主の想いや夢を汲み上げ、自らが描く物語に重ねていきます。

その為、物語が完結するころには施主との関係は単なるクライアントと設計士という仕事上の関係をはるかに超えた深いものになっています。

彼のクライアントでもある本日の導師お二人の読経にも死を悼む特別な気持ちが込められていたように思いました。

 

また彼の功績は「建築やアート」の分野だけでなく「まちづくり」にまで及びます。

和歌山白浜町ではホノルルワイキキビーチと姉妹提携を実現させ町の活性化に貢献し、兵庫県久美浜町では町の観光施設とし豪商住居を再生しました。

建築家としてアーチストとし誰もがその才能や感性を惜しみます。

私にとっては、何より親父であり兄である大橋淳司という大切な友人と今後楽しく語り合い酒を酌み交わすことが出来なくなったとことが惜しくてしかたありません。

たまたま今日の夕刊にこんな万葉集の歌が掲載されていました。

「世の中は空しさものと知るときしいよいよますます悲しかりけりー大伴旅人」

またいつか浄土で再会出来ることを切に願ってご冥福をお祈りします。

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